ボール遊びがない…大名ガーデンシティ広場を見て感じた寂しさ
福岡市中央区の旧大名小学校グラウンド跡に整備された「大名ガーデンシティ」。現在創業支援施設「Fukuoka Growth Next」として活用されている旧大名小学校校舎と一体に利用されており、この間には緑の人工芝を中心としたオープンスペースが広がっている。広場は2023年1月に、施設内店舗は同年6月(一部は4月)にオープン、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」は6月21日にオープンする。この芝生広場、多くの人が集まったり寝そべったりして、のびのび過ごしている。実にほのぼのとした空間で、都市の中のオアシスだ。
…しかし、私には、どこか物足りなさを感じた。私の原体験からみて、広場にはつきもののはずのある姿が、見当たらないのだ。
それは、ボール遊びだ。キャッチボールをしている親子、サッカーボールを蹴っている少年、ラグビーボールで遊んでいる少年、いずれも見当たらない。
やはり、こんな掲示があった。こういった公共空間にはつきものの、ある意味私の「嫌いな」掲示だ。
もし私が小学生の時、近所にこんな広場があったら、どんな使われ方をしていただろうか?私なら、何人か集まれば、バットと柔らかいボールを用意して、野球遊びをしていたかもしれない。今の時代ならサッカーで遊ぶこともあるか。バスケットゴールがあれば3×3のストリートバスケットもあったかもしれない。あちこちでキャッチボールなどのボール遊びが自然にみられていたはずだ。しかし、現在の広場には、ボール遊びをやろうという雰囲気が全くみられない。
もちろん、安全上の対策がその一番の理由であろう。都市機能の集積した福岡市中心部で、無秩序にいろいろなことをする人が集まるのには限界があるだろう。しかし、こんな立派な広場をボール遊びやボールを使ったスポーツに使わないのは、何かもったいなく寂しい気がするのだ。硬式ボールや軟式ボールを使った野球の試合は難しいし、公式の規格のサッカー、ラグビー、アメフトの競技スペースを設けるのもぎりぎりのような気がする。しかし、柔らかいボールを使った遊びレベルの草野球、フットサルならいくらでもできる。フットサルならコートは複数面とれるであろう。球技に限らず、スケートボードをやる空間も仮設で作れそうだ。まずは、日を区切ってでもいいので、こうした球技やスポーツのイベントを行う空間として有効活用できれば、利用する市民のつながりや健康の増進につながり、この空間がさらに活き活きしたものになると思う。ホテルや店舗利用者、さらに「Fukuoka Growth Next」利用者をどんどん巻き込んでいい。スポーツをやる空間の周りでのんびり寝そべる市民やテイクアウトの食事をする市民がいる、でも多くはそのスポーツを観て楽しんでいる…そんな姿もあっていいだろう。
「市民をつなぐボール遊び、球技の空間」として、大名ガーデンシティの広場をうまく活かせないだろうか。
なお、イベントでなくても、常時から、こんな姿になっているのが、私にしては理想だけどね…
・キャッチボールしている親子や野球・サッカー・ラグビーの練習をする子供とのんびり寝そべる市民が自然に共生している。
・たまに市民がそのボール遊びの輪に加わり、仲間が増える。
・「ボール遊び禁止」の規制はない。でもそれぞれの利用者が自然に別の利用者を意識し、混乱が起こらない。