●●●がない…「スポルテック福岡」からの私の「気づき」

2023年12月13日は、マリンメッセ福岡B館で「スポルテック福岡」が開催され、私もこれに出向いてきた。このイベントは、SPORTECの公式インスタグラムの案内では、「SPORTECは2009年から開催し、世界中のスポーツ関係企業・団体が、最新製品・技術・サービスを発表する日本最大のスポーツ・健康産業に関する国際的な総合展示会」とされている。これまでは東京ビッグサイトで開催されてきものを、2023年12月に福岡のマリンメッセで開催したらしい。
 運動器具、健康器具、飲料、浄水器具、食品、身体・健康チェック、動作解析、衣料、スポーツ合宿地の観光案内…と様々な切り口で、トップアスリート向けから一般市民向けに至るまで、ほぼスポーツ・健康に関する全てに「近い」コンテンツがそろっていたと言っていい。
(「近い」と書いた理由は後述)
 そして、施設内の会議室ではセミナーも開催された。私は2つのセミナーに参加した。うち1つのセミナーの登壇者の1人が、小林至氏。東大野球部から千葉ロッテ入りし、引退後はソフトバンクホークスの取締役も経験している方で、スポーツビジネスのトップクラスの方と言っていい。ある意味私の憧れの1人でもある。セミナー後に小林至氏に直接ご挨拶し、その後展示会場でばったり会って声をかけられたのはありがたかった。

 以下、会場の様子を載せておこう。


 さて、本題はこれから。

 先、次のように書いていたはずだ。
「スポーツ・健康に関する全てに「近い」コンテンツ」
 全てのコンテンツとは書いていない。私にとって、実は、決定的に欠けているコンテンツが1つあった。なぜこの観点からの取り組みや展示をだれも出さないかと。

 それは、
気候変動対策
の視点だ。日本の現境から言えば、「熱中症対策」「暑さ対策」が一番わかりやすい切り口の1つであろう。こういう展示会では、例えばウェザーニュースのような企業がブースを設けて展示を行っても何ら不思議ではない。しかし、同社のような展示は皆無だった。

 なぜだろうか???

 私は、気候危機対策の一丁目一番地にあるターゲットの1つがスポーツと考える。真っ先に直接的に被害者になるとともに、加害者の側面もはらんでいるからだ。
 夏の高校野球に限らず、インターハイ、オリンピック、各種夏の大会…と多くのスポーツが猛暑により活動機会を奪われる。「夏の開催をやめればいいでしょ」では解決しない。「夏の甲子園」の情緒的な問題以前に、夏はウィンタースポーツやサッカー・ラグビー・アメフトなどを含め貴重な鍛錬・練習・調整の期間である。これを奪われるとパフォーマンスの低下だけでなく故障にもつながりかねない。
 一方、スポーツイベントには選手や観客の移動、備品や資材の輸送、施設の建設などで多くのCO2が排出される事実もある。スポーツからの年間排出量は小規模国家のそれに相当するくらいだ。
 プラネタリーヘルスの概念にもあるように、元来、地球環境と健康は表裏一体のものである。暑さなどの環境変化から健康を守る適応策の観点、スポーツからの排出を減らす緩和策の観点でいくつもスポーツと地球環境をめぐる課題はあり、しかもその課題は深化している。

 こうした本質的課題に立ち向かうイノベーションを私は実は見たかったな…

(関連)
 スポーツはどれだけCO2を排出する?

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